ステーブルコイン発行企業テザー、南米の農業企業アデコアグロの買収を計画
ステーブルコインUSDTの発行元であるテザーが、南米の農業関連企業アデコアグロの過半数株式を取得し、投資ポートフォリオの拡大を図っている。
アデコアグロはアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイで事業を展開する企業であり、テザーの投資部門であるテザー・インベストメンツから「非拘束的な買収提案」を受け取ったと 2月18日に発表した 。
この取引の一環として、テザーはアデコアグロの発行済み普通株を1株あたり12.41ドルで取得する予定である。なお、テザーはすでにアデコアグロの株式を約19.4%保有している。
活発な投資を続けるテザー
アデコアグロの取締役会は2月16日に会合を開き、提案の条件を検討した。同社は現在、法律および財務アドバイザーと協議し、今回の買収提案が株主にとって最善の選択かどうかを評価している。
「取締役会は適切な時期に回答する予定であり、現時点で株主が取るべき行動はない」とアデコアグロは発表している。
もし承認されれば、今回の投資案件はテザーが2月14日に発表したイタリアのプロサッカークラブ 「ユベントス」への投資 に続くものとなる。
テザーを巡っては、米国におけるステーブルコイン規制の動向に対応するため、テザーがビットコイン(BTC)の一部を売却する可能性があるとJPモルガンが指摘。それに対してテザー側が 反論している 。「仮に極端なシナリオであったとしても、JPモルガンはテザーのグループ資産が200億ドル以上の流動資産を保有し、米国債を通じて四半期ごとに12億ドル以上の利益を上げていることを見落としている」とテザーはコメントしている。
昨年9月にアデコアグロに1億ドル投資
テザーは2024年9月にアデコアグロへ最初の投資を行い、1億ドルで同社の株式9.8%を取得した。テザーは「運転資本の現金」を用いてこの投資を実行したと発表している。
アデコアグロの株価はそれ以来やや下落しており、2月14日時点で9.80ドルと約13%の下落を記録している。現在、同社の時価総額は10億ドルとなっている。
アデコアグロの株価の推移 Source: TradingView
テザーがアデコアグロの過半数株式を取得しようとしている背景には、同社が2024年に過去最高の利益を計上したことがある。テザーは2024年に130億ドルの利益を上げ、低リスクの米国債保有額が過去最高の1130億ドルに達した。
テザーの多様化戦略
「この動きは、デジタル資産を超えた実物資産への投資を通じて、長期的な価値を創出するという当社の戦略を反映している」とテザーの広報担当者はコインテレグラフに語った。
また、広報担当者は土地という資産クラスの長期的なリターンの高さに言及し、「地政学的な不確実性の中で、安全な避難先となる資産である」と述べた。
「農業への投資は、当社のレジリエンス(回復力)と持続可能性のビジョンと一致しており、ビットコインや金の保有と補完関係にある」としたうえで、「アデコアグロは、基本的な農業生産に焦点を当てており、人類の未来に不可欠な産業を支援する機会を提供している」と強調した。
さらに、この投資はテザーのステーブルコイン準備金とは無関係であり、フィンテック、人工知能(AI)、バイオテクノロジー、エネルギーなどの戦略的分野への利益配分の一環であると説明している。
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