9つの銀行がMiCAの下でユーロステーブルコインの発行を計画

9つのヨーロッパの銀行が、ステーブルコイン市場における米ドルの支配に対抗するため、ユーロステーブルコインの開発で協力する計画を立てている。

Bloombergの最近の報道によると、9つのヨーロッパの銀行が協力し、オランダに新会社を設立してユーロステーブルコインプロジェクトを推進する。コンソーシアムは、MiCA規制枠組みに準拠したユーロ建てステーブルコインの立ち上げを計画している。

報道によれば、このユーロステーブルコインは2026年後半にローンチされる予定だ。

さらに、この9行グループは、他の銀行がこのイニシアティブに参加することにも現在オープンであると述べている。

これまでにこのプロジェクトに関与している銀行は、UniCredit SpA、ING Groep NV、DekaBank、Banca Sella、KBC Group NV、Danske Bank AS、SEB AB、CaixaBank SA、Raiffeisen Bank International AGであり、すべてヨーロッパを拠点としている。

DekaBankの声明によると、このプロジェクトはオランダ中央銀行から電子マネーライセンスを申請し、ヨーロッパのデジタル決済標準の確立を目指す。グループは、米ドルが大きく支配するステーブルコイン市場に対し、確立されたヨーロッパの代替手段を創出することを目指している。

DeFi Llamaのデータによれば、ステーブルコイン市場全体の時価総額は過去最高の2,957億ドルに達している。過去1週間でこの数字は約50億ドル増加しており、ステーブルコイン市場の急速な成長を示している。

時価総額で最大のステーブルコインはUSDT（USDT）であり、TetherのUSD建てステーブルコインである。このステーブルコインは現在、1,733億ドルの最大時価総額を保持しており、ステーブルコイン市場全体の約60%を占めている。

ユーロステーブルコインの夜明け？

金融サービス業界がユーロステーブルコインの立ち上げを決定したのはこれが初めてではない。Societe Generale-FORGEは、2023年4月にユーロ連動型のEUR CoinVertible（EURCV）をローンチし、このグループに先んじていた。このトークンはSolana（SOL）ネットワーク上のMiCA準拠ステーブルコインとされている。

現時点で、ユーロステーブルコインはステーブルコイン市場全体の時価総額のうち6億3,700万ドルを占めている。CircleのEURC（EURC）が2億5,967万ドルでトップ、過去24時間の取引高は4,200万ドルとなっている。2位はEURS（EURS）で時価総額は1億4,493万ドル。EURCVは3位で時価総額は6,599万ドルとなっている。

2025年7月、Schuman Financialの創設者Martin Brunckoは、ユーロステーブルコインの台頭は「不可避」であると述べた。Brunckoは、ユーロステーブルコインの時価総額が1,000億ユーロ（1,174億ドル）を超え、最終的には1兆ユーロ（1.17兆ドル）に達する可能性があると予測しているが、現時点では米ドル連動型ステーブルコインに遅れを取っている。