仮想通貨投資家がイタリア人を誘拐し仮想通貨を強奪、暴力事件で起訴

仮想通貨を狙った凶悪事件、拘束と脅迫でアクセス情報を奪う

ケンタッキー州の仮想通貨投資家ジョン・ウォルツ（John Woeltz）被告が、仮想通貨ウォレットのパスワードを取得するためにイタリア人男性を拘束・監禁し、脅迫した罪でアメリカで起訴された。

事件は2025年に発覚し、仮想通貨を巡る暴力犯罪として注目されている。イタリア人男性は5月6日に米国に到着後、ウォルツ被告が借りていたニューヨーク市ソーホーの高級タウンハウスを訪れた後、被告と共犯者によって監禁され、パスポートと電子機器を奪われた上で、仮想通貨ウォレットのパスワードを明かすよう脅迫された。拘束中、被害者は繰り返し暴力や脅しを受けたと証言しており、警察は拷問の痕跡とみられる複数の証拠を現場で押収。ノートパソコンで情報を提示するふりをして逃走を図り、通行人に助けを求めたことで発覚した。

ウォルツ被告はその後逮捕され、現在は保釈なしで拘留されており、有罪が確定すれば、最大で終身刑となる可能性もある。

執拗な拘束と異様な現場、仮想通貨狙う新たな犯罪の形

警察の捜査では、のこぎり、防弾チョッキ、暗視ゴーグル、銃器、AirTag付き首輪のほか、拘束中の様子を記録したとされるポラロイド写真や、暴力行為を印刷したTシャツなどが押収された。

詳細な暴行手段については現在も捜査中だが、犯行の異様さが明らかになりつつある。

🇺🇸CRYPTO INVESTOR TURNED TORTURE KINGPIN IN NYC HORROR PAD

A Kentucky crypto bro allegedly turned a $40K/month SoHo rental into a full-blown torture chamber to extort millions from an Italian tourist.

Police say John Woeltz bound the man for 2 weeks, electrocuted him,… pic.twitter.com/55pZIm3g3G

— Mario Nawfal (@MarioNawfal) May 24, 2025

この事件は、仮想通貨を巡るトラブルが、デジタル上だけでなく現実空間での暴力事件へと発展する危険性を示した象徴的な事例といえる。

仮想通貨保有者に迫る新たな脅威、安全対策への意識高まる

こうした事件が続発する中、仮想通貨業界の関係者を中心に、個人警備への関心が高まっている。

特に誘拐や身代金要求が急増するフランスでは、政府が起業家やその家族を対象に優先保護措置を導入し、セキュリティ企業にはボディーガードや保護契約の依頼が相次いでいる。仮想通貨の分散型・自己管理型という利点は、同時に“持つ者が直接的な標的になる”というリスクも孕んでいる。今後は、資産の管理だけでなく、ユーザー自身の物理的な安全確保も含めた包括的なセキュリティ対策が求められるだろう。