米国政府、コインベース（Coinbase）ユーザーはIRSによる仮想通貨記録へのアクセスを阻止する権利はないと主張

米国政府がコインベースユーザープライバシー侵害訴訟でIRSを支持

米国政府は、 コインベース （Coinbase）ユーザーのジェームズ・ハーパー（James Harper）氏が提訴したユーザープライバシー侵害訴訟において、 IRS （Internal Revenue Service：アメリカ合衆国内国歳入庁）の立場を支持した。

米国政府は、Coinbase訴訟においてIRSに有利な判決を下すよう最高裁判所に求めている。コインベースユーザーの同氏は、自身の文書への不法アクセスを理由にIRSを提訴。2025年5月30日付の提出書類によると、D・ジョン・ザウアー（D. John Sauer）司法長官は、同氏には、取引所が保有する自身の金融記録を保護する憲法修正第4条に基づく権利はないと 主張 。同氏はIRSが自身の個人金融情報を不法にアクセスしたと主張。

一方で政府は、ハーパー氏がCoinbaseに“自発的に”データを提供し、IRSは裁判所の承認を得た召喚状を通じて適切な法的手続きを経てデータを入手したと主張したうえで、最高裁判所に対し、IRSに有利な判決を下すよう要求。 提出書類 はまた、Coinbaseのプライバシーポリシーにも言及しており、同ポリシーでは、ユーザーの情報が法執行機関に開示される可能性があることをユーザーに通知している。

政府は、ハーパー氏が自発的にCoinbaseにデータを提供し、IRSは裁判所の承認を得た召喚状などの適切な手続きを経てデータを入手したと主張している。提出書類はまた、Coinbaseのプライバシーポリシーにも言及しており、同ポリシーでは、ユーザーの情報が法執行機関に開示される可能性があることをユーザーに通知している。

仮想通貨プライバシーをめぐる戦い

コインベースユーザーのハーパー氏は、2020年にIRSを提訴し、IRSの行為は個人記録に対する違憲の捜査に相当すると主張。

具体的には…、同氏は、IRSがコインベースから「John Doe（ジョン・ドウ）」（※1）召喚状を通じて彼の財務記録を入手した際、憲法修正第4条に基づく権利を侵害したと主張した。IRSは、仮想通貨による利益に関する広範な税金の過少申告に関する調査の一環として、2016年にこの召喚状を発行していた。

ただし、下級裁判所は同氏に不利な判決を下し、コインベースが保有する記録は同氏の私文書ではなく事業文書とみなし、IRSの行為は合法であると判断。この判決を受けて、米国政府は提出書類の中で、「申立人が以下の主張を行った限りにおいて、控訴裁判所は、本裁判所の判例によってこれらの主張は排除され、根拠がないとして、正当に却下した」と述べている。