パラグアイ大統領のXアカウントがハッキング、ビットコイン法定通貨は誤情報
大統領の公式Xアカウントに虚偽投稿
6月9日、パラグアイのサンティアゴ・ペニャ(Santiago Peña)大統領の 公式X (旧Twitter)アカウントがハッキングされ、同国がビットコイン(Bitcoin/BTC)を法定通貨として認めたとする虚偽の投稿が行われた。
英語とスペイン語で書かれたその投稿では、パラグアイがビットコインを裏付けとした500万ドル(約7億円)規模の準備基金を設立し、同通貨を国家金融システムに統合したと主張。さらに、「仮想通貨を保有する市民に対して仮想通貨債券へのアクセスを提供する」との文言も含まれ、パラグアイの国章を配した大統領令形式の画像が添付されていた。
しかし、この内容は政府公式サイトや信頼性のある報道機関から確認が取れず、文体の不自然さや形式の不一致などから早急に疑問視された。
投稿の不自然さと捜査の開始
投稿に添付された画像は、大統領令を模した形式だったが、文体や用語の選定、書式などが正式文書とは一致していなかった。
スペイン語文内では「Tesoreríaタグ付き資産」「仮想通貨によって認証された市民」など、法令文書では一般的に使用されない表現が含まれていた。さらに、画像内の印章はデジタルで挿入されたように見え、レイアウトも公的文書の一般的な書式とは異なっていた。注目すべき点として、ツイートにはビットコインのウォレットアドレスが記載されており、これは仮想通貨詐欺でよく見られる手口と一致する。
投稿は数時間後に削除され、パラグアイ政府は早急に調査を開始した。政府の公式ウェブサイトや国営メディアでは、この内容を裏付ける情報は一切確認されていない。当局は声明の中で「大統領のXアカウントに不審な活動があり、不正アクセスの可能性がある」と述べ、国民に対し、この投稿を無視し、信頼できる公式情報を待つよう呼びかけた。
仮想通貨政策とSNS時代の情報リテラシー
サンティアゴ・ペニャ大統領は経済学の学位を持ち、 IMF (国際通貨基金)の元顧問という経歴を持つ。
同大統領は、財政改革やデジタルインフラ整備を政策の柱として掲げているが、ビットコインの法定通貨化についてはこれまで一度も支持を表明していない。
パラグアイは水力発電に恵まれていることから、一部で仮想通貨マイニング事業が展開されている。しかし、違法マイナーによる電力の不正使用が問題となっており、政府は規制強化の方針を示している。2021年に提出された仮想通貨マイニングに関する規制法案も、ペニャ政権以前のものであり、今回の投稿内容とは直接の関係はない。
SNSにおける誤情報とその対策
今回の件は、仮想通貨に関するフェイクニュースがSNSを通じていかに速く拡散されるかを浮き彫りにした。
特に、政府発表を装いながらビットコインのウォレットアドレスを掲載するなど、典型的な詐欺の手口と一致する特徴が多数見られることから、ユーザーや投資家は、情報の真偽を判断する際には出所を確認し、公式機関による発表以外の内容に対しては慎重な姿勢を持つことが求められる。
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