ストラテジー(Strategy)共同創業者のマイケル・セイラー氏は、同社によるビットコイン(BTC)購入を示唆するチャートを投稿した。中東での軍事的緊張が高まる中でも、同社はビットコインの追加取得を続ける構えだ。市場が週明けに再開される中で、地政学的リスクが金融市場を揺さぶる可能性もある。

ストラテジーが直近でビットコインを取得したのは6月9日で、1,045BTC(約1億1,000万ドル)という比較的小規模な購入だった。これにより同社の総保有量は58万2,000BTCとなっている。

セイラー・トラッカーのデータ によれば、ストラテジーの投資は50%以上の含み益を抱えており、米ドル換算で200億ドルを超える未実現キャピタルゲインが発生している。

セイラー氏による今回の「購入予告」は、イスラエルとイランの対立が続く中でもビットコインに対する投資家の信頼が根強いことを示すものといえる。週末に両国の緊張がさらに高まったことを受け、週明けの市場の反応に注目が集まっている。

イスラエル・イラン情勢の緊張下で、セイラー氏がビットコイン購入を示唆 image 0 Strategy’s Bitcoin purchases from September 2024 to July 2025. Source: SaylorTracker

ビットコインは不安定な情勢下でも底堅く推移

イスラエルは現地時間6月13日22時50分(UTC)に、イランの首都テヘランに対して空爆を実施した。この報道を受けて、ビットコイン価格は一時3%下落したものの、その後は約10万5,000ドル付近で安定して推移している。

こうした中でも、ビットコイン上場投資信託(ETF)は5営業日連続で資金流入を記録した。米国の通商政策や経済指標、中東の地政学的リスクが重なる状況にもかかわらず、投資家の買い意欲は続いている。

ファーサイド・インベスターズのデータによると、今週のBTC ETFへの資金流入は13億ドルを超えている。

また、仮想通貨市場の投資家心理を測定する「仮想通貨恐怖と強欲指数」は現在60となっており、 「欲望」の水準にある 。これは地政学的リスクが高まる中でも、デジタル資産への強気な姿勢が継続していることを示している。

イスラエル・イラン情勢の緊張下で、セイラー氏がビットコイン購入を示唆 image 1 Crypto prices proved resilient in the immediate wake of a new and escalating geopolitical conflict. Source: TradingView

地政学リスクのなかでビットコイン価格は底堅さを見せているが、マーケットアナリストでコイン・ビュロー創設者のニック・パクリン氏は、イランがホルムズ海峡を封鎖した場合、短期的にリスク資産価格が下落する可能性があると警告している。

ホルムズ海峡はオマーン湾とペルシャ湾を結ぶ狭い水路で、世界の原油輸送の約20%が通過する重要ルートである。

エネルギー価格の急騰は、経済活動のあらゆる段階に影響を与えるため、企業のコスト増を通じて金融市場全体に波及する恐れがある。

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