ビットコイン(BTC)は今後、「パラボリック(放物線的)」な価格急騰や「壊滅的」な弱気市場を経験しなくなるだろう ── その理由は、米国で上場されたビットコイン上場投資信託(ETF)がボラティリティを恒久的に抑制し、市場の構造自体を変えてしまったからだ。そう指摘するのは、ブロックウェアのBTCアナリスト、ミッチェル・アスキュー氏だ。
「ETF導入前と導入後で、BTC/USDはまるで別の資産に見える」とアスキュー氏は 25日のX投稿 で述べ、2024年1月に米国でビットコインETFが承認された後の、価格ボラティリティの急激な減少を示すチャートを提示した。
「パラボリックな強気市場と壊滅的な弱気市場の時代は終わった。今後のビットコインは、“上昇”と“保ち合い”を交互に繰り返しながら、10年かけて100万ドルに到達していくだろう。その過程は退屈で、観光客(短期投資家)は途中で振り落とされることになる」
ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏も、ボラティリティの低下によって「より大口の投資家を引き寄せ、ビットコインが通貨として採用される可能性を高めている」と述べている。一方で、同氏はその代償として「ゴッドキャンドル(突発的な急騰)」が今後見られなくなるだろうとも指摘している。
ビットコインETFが市場構造に与える影響については、いまだ市場関係者の間で議論が続いている。この金融商品は、伝統的な金融システム、機関投資家、そしてデジタル資産市場との結びつきをより深める役割を果たしている。
ETFは仮想通貨市場の構造をどう変えたのか
ビットコインETFは、現時点で「現物交換型の償還機能」がない伝統的な投資ビークルに資金を隔離しており、ファンドが管理する資金はブロックチェーン上ではなくオフチェーンに留まっている。
このような資金の滞留は、従来の市場サイクルで見られた「アルトコインへの資金回転」を 阻害する 可能性がある。
7月には、ビットコインETFへの資金流入が累計で500億ドルを超えたが、この巨額資金の流入はオンチェーン活動の増加には結びついていない。
アナリストらによれば、個人投資家もETFを通じてビットコインへの投資を 行っており 、自ら直接BTCを保有するのではなく、ファンドマネージャーや受託者が代わりに保有する「伝統的な金融商品」を通じてエクスポージャーを得ている。
ブラックロックのビットコインETFのような「ペーパーBTC」商品への需要が高まった結果、同社はビットコインの全供給量の3%を保有するまでに 至っており 、市場参加者の一部からは「中央集権化」に対する懸念も上がっている。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】