ビットコイン、パウエル議長の発言受け一時11万7000ドル割れ

ビットコイン（BTC）は31日、一時的に11万7000ドルを 下回った 。

この背景には、米連邦準備制度理事会（FRB）のジェローム・パウエル議長によるタカ派的な発言がある。

パウエル議長の発言が市場に冷や水

政策金利の据え置き決定後に行われた記者会見で、パウエル議長はインフレ抑制に引き続き注力する姿勢を強調。特に、トランプ政権下で再導入が検討される関税政策がインフレを加速させる可能性について警鐘を鳴らした。

こうした発言は、 暗号資産（仮想通貨） 市場が期待していた緩和的な金融政策への見通しを後退させ、市場心理に冷や水を浴びせる形となった。

その結果、ビットコインは発言前の11万8664ドル付近から急落し、一時11万7000ドルを割り込んだ。

規制への警戒感と市場全体の動向

市場全体に広がった不安心理の背景には、ホワイトハウスが30日に発表を予定していた仮想通貨に関する政策報告書への警戒感もあった。規制の先行きが不透明な状況下で、投資家の間にはリスク回避の姿勢が強まっている。

この影響は仮想通貨市場全体に波及し、価格変動リスクへの備えとしてデリバティブポジションの大量清算が発生。結果として、清算額は7億ドルを超えた。

ビットコイン は14日に約12万3000ドルの史上最高値をつけて以降、利益確定の動きが優勢となっていた。そうした中、ギャラクシー・デジタルが約3億9500万ドル相当のビットコインを取引所に移動させたことも確認され、市場に一時的な下押し圧力を及ぼした。

一方で、アジア時間の取引においてビットコインは11万7,200ドル台まで反発し、重要な価格帯において機関投資家による買い支えが入ったとみられる。

また、下落局面では イーサリアム（ETH） の出金も急増しており、仮想通貨市場内で資金の再配分が進んでいる可能性も示唆される。

今回の一連の動きは、ビットコインが依然として金融政策や規制動向といったマクロ経済要因に大きく反応する資産であることを改めて浮き彫りにした。

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