ブータン政府、517ビットコインを新ウォレットへ移動

ブータン政府が517BTCを新ウォレットへ移動

ブータン政府は、市場への影響を懸念して変動の激しい市場環境の中、戦略的な動きで5,900万ドル相当のビットコイン（Bitcoin/BTC）を新ウォレットへ移動した。

Arkham Intelligence（アーカム・インテリジェンス）の データ によると、ブータン王国政府は2025年8月5日（火曜日）、ブータン政府は、5,900万ドル（約87億円）相当の517BTCをBinanceにリンクされた新規アドレスに送金。政府が保有するビットコインを現金化する意図があるかどうかは依然として不明だが、同国政府はこれまで、大規模送金の後に保有するBTCの一部を売却することが多く、その売却先は バイナンス （Binance）経由となっている。これは、市場への即時的な影響はないものの、仮想通貨の積極的な導入を示唆してい

直近の送金は7月中旬に行われ、約7,400万ドル（約109億円）相当の650BTCがバイナンスへ送金されている。なお、今回の動きを受けて、政府の投資部門であるDruk Holdingsは依然として10,769BTCを保有しており、その価値は約12億ドル（約1,768億円）だ。この送金は、ブータンが仮想通貨の普及と経済の多様化に重点を置いている姿勢と一致。市場アナリストは、即時の財政的変化は予想されておらず、効果は徐々に現れると予想している。

ブータンのビットコイン送金の背景にあるものとは

ブータンは仮想通貨の積極的な活用で知られており、5月には、観光セクター向けに仮想通貨を利用した全国規模の決済システムを導入した最初の国となり、この取り組みを推進するため、Binance Payとブータン国営銀行DK Bankが提携している。

同国政府は、経済活性化と人材流出防止のため、水力発電を利用したグリーンな仮想通貨マイニングを導入しており、クリーンエネルギーを活用し、企業のESG （※1）目標に沿ったデジタル資産を提供することで、投資誘致を目指している。

Druk Holdingを通じて行われた今回の送金は、デジタル資産を経済枠組みに統合するという同国のコミットメントを浮き彫りにしており、この取引は清算ではなく、戦略的なバランス調整であると考えられる。

また、ビットコインの送金は多額の金額を伴うものの、専門家は直ちに市場の混乱を引き起こすとは考えていない。アナリストはブータンの積極的な資産管理が、ビットコインの流動性と市場動向に長期的に影響を与える可能性があると予測。政府の透明性のあるアプローチと継続的な監視は、デジタル通貨規制と経済成長に対する慎重でありながら革新的な姿勢を示しています。