午前5時の「収穫」、誰がHyperliquid XPLの極端な相場を演出しているのか？

Hyperliquid XPL 極端相場：5分間で200%急騰後に急落、1,767万ドルのショートが清算、2つのアドレスが2,750万ドルを荒稼ぎ。

執筆：KarenZ，Foresight News

8月27日午前5時50分から、分散型デリバティブ取引プラットフォームHyperliquidで、息を呑むような極限相場が展開されました。プラットフォームに上場しているトークンXPL（プレマーケット）は、わずか5分間で約200%急騰し、その後急速に反落、大規模なショートの清算とコミュニティでの議論を引き起こしました。

イベント回顧：狂気の5分間、相場はジェットコースターのよう

Hyperliquidの相場データによると、XPLの価格は東アジア時間8月27日5時50分から急速に上昇し、0.6ドル付近から最高1.8ドルまで急騰、数分間で約200%の上昇となりました。しかし、この狂乱は長くは続かず、価格は高値に達した数分後には元の水準に戻り、現在も0.061ドル付近で推移しています。

Coinglassのデータによると、XPLは過去4時間でHyperliquidのXPL/USDショートポジションの清算額が1,767万ドルに達しました。

注目すべきは、同時刻にBinance、BitgetなどXPLプレマーケット契約を上場している中央集権型取引所では、XPL価格に顕著な変動が見られなかったことです。この違いが、コミュニティで価格操作への疑念を呼び起こしました。

背後の仕掛け人：2つのアドレスが2,750万ドルを獲得

HypurrScanによるオンチェーンデータの追跡によると、0xb9cで始まるアドレスは2日前（8月24日）から仕込みを開始し、最初に6回の取引でHyperliquidに合計1,098万USDCを入金、その後XPLのロングポジションを仕込み、今日午前5:35（UTC+8）に再びHyperliquidに499.3万USDCを入金しました。

その後、この0xb9cで始まるアドレスは8月27日5:36（UTC+8）から複数回にわたりXPLをロング（1回あたり数万ドルから数十万ドル規模）し、5:53（UTC+8）からロングポジションをクローズし始めました。XPLが0.6ドル付近まで下落した際、このアドレスは再びXPLをロングしました。現在、0xb9cで始まるアドレスのHyperliquid上のXPL契約ポジション価値は828万ドルです。

午前8:10（UTC+8）頃、0xb9cで始まるアドレスは2回の取引で合計約60万USDCを「出金」し、その後は動きがありません。

@ai_9684xtpaの分析によると、このアドレスはオーダーブック全体を一気に買い上げ、全てのショート（主に1倍ヘッジポジション）を圧迫し、わずか1分で1,600万ドルを稼ぎ出しました。

また、Yujinの分析によれば、Hyperliquid上のXPL清算操作の仕掛け人は2つのウォレットで先にロングを仕込み、価格を吊り上げて自動清算を誘発し、合計2,750万ドルもの利益を得たと見られます。そのうち、0xb9cアドレスがXPL価格を押し上げ連鎖清算を引き起こし、最終的に1.1～1.2ドル間で自動清算が発生しました。DeBankのユーザー名「silentraven」（0xe417で始まるアドレス）は、過去3日間で950万ドルをHyperliquidで平均0.56ドルで2,110万XPLをロングで仕込みました。清算が誘発された後、ポジションは平均約1.15ドルで自動清算され、1,250万ドルの利益を得ました。

また、一部のコミュニティユーザーは矛先をJustin Sunに向けています。@ai_9684xtpaは「噂がJustin Sunに関係しているのは、資金の出所を遡ると、このアドレスが5年前にJustin Sun関連アドレスにETHを送金したことがあるためだが、直接的な証拠はない」と述べています。

露呈した核心問題：DeFiパーペチュアル契約の構造的リスク

今回の事件は、DeFiパーペチュアル契約プラットフォームのいくつかの重要なリスクを浮き彫りにしました：

• 単一オラクル依存、価格操作が「容易」：Hyperliquidパーペチュアル契約のオラクル価格は外部データに依存せず、資金調達率はHyperpのマーク価格の移動平均で決定されます。XPLはプレ発行トークンであり、単一の価格オラクルに依存しているため、価格が操作されやすい状況です。クジラは巨額のロングで急騰させ、容易に清算閾値を突破できます。
• ポジション集中度管理の欠如：クジラが「市場を左右」：現在、多くのDeFi契約プラットフォームでは単一ユーザーのポジション上限が設定されておらず、クジラが大口ポジションで市場価格や清算メカニズムを左右できる状況です。

多くのユーザーは「1倍レバレッジヘッジ」はリスクが非常に低く、安定した運用だと考え、極端な相場への警戒を緩めていました。しかし、暗号市場の高いボラティリティの中では、一見「安全」な戦略も、価格操作やブラックスワンイベントの前では「脆弱」であり、今回大量の1倍レバレッジヘッジポジションが清算されたのは典型的なケースです。

@Cbb0feは「今回のXPL清算事件で、HyperliquidXプラットフォーム上でXPLトークン資産の10%をヘッジし、1倍レバレッジでショートし大量の担保資産を提供して保護したが、最終的に250万ドルの損失を被った。今後はこのような隔離市場には二度と手を出さない」と述べています。

教訓

この「5分間の嵐」は、典型的な市場操作の事例であるだけでなく、DeFiデリバティブプロトコルのリスク管理、オラクルメカニズム、ポジション管理の脆弱性を露呈させました。改善がなければ、同様の問題が他のDeFiパーペチュアル契約やトークン合成資産プラットフォームでも発生する可能性が高いです。

トレーダーにとっては、明確な規制や十分なリスク管理がない暗号市場では、一見安定したヘッジ戦略でも、クジラの操作や極端な変動の前では「一瞬でゼロ」になる可能性があることを認識する必要があります。暗号市場の「授業料」はしばしば高額であり、リスクを畏れ、理性的な判断こそが長期的な生存の鍵です。