XRP(XRP)の価格は火曜、一時2週間ぶりの高値となる3.04ドルに達したが、その後反落した。この動きは、米国でのXRP上場投資信託(ETF)承認への期待と、機関投資家によるXRPデリバティブ取引の増加によって支えられた。市場では、7月に到達した3.60ドル水準を再び試す可能性があるかに注目が集まっている。

XRP 2週間ぶり高値3.04ドルまで上昇 ETF期待で次のターゲットは3.6ドル? image 0 XRP先物の未決済建玉 Source: CoinGlass

XRP先物の需要は前月比5%増の26億9000万XRPに達した(時価で79億1000万ドル相当)。特にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場する未決済XRP先物建玉は、30日間に74%増加し3億8600万XRPとなった。これはプロのファンドマネージャーやマーケットメイカーの参入活発化を示す動きだ。

一般的に先物取引の増加は関心の高まりを意味するが、ロングとショートは常に均衡している。ただし、月次先物契約はレバレッジの不均衡を示すシグナルとなる場合がある。通常、市場が中立的な状況では、XRP先物は決済期間が長いことを織り込み、現物より5〜10%高い水準で取引される。

XRP 2週間ぶり高値3.04ドルまで上昇 ETF期待で次のターゲットは3.6ドル? image 1 XRP 3ヶ月先物の年率プレミアム Source: laevitas.ch

現在、XRP月次先物は7%のプレミアムで取引されており、過去1か月と同様にレバレッジ需要は均衡しているとみられる。ただし、市場全体のアルトコイン時価総額と比べるとXRPは出遅れ感が強い。

XRP 2週間ぶり高値3.04ドルまで上昇 ETF期待で次のターゲットは3.6ドル? image 2 アルトコイン時価総額 (赤) と XRP/USD (青). Source: TradingView / Cointelegraph

XRPは8月以降横ばいが続いているが、同期間にアルトコイン市場全体は14%上昇した。その背景には、ハイパーリキッド(HYPE)の32%上昇、ソラナ(SOL)の28%上昇、カルダノ(ADA)の19%上昇、イーサリアム(ETH)の18%上昇などがある。

XRPにとって8月の最大の材料は、リップル社と米証券取引委員会(SEC)との長年の訴訟が 和解に至った ことだった。

米国でのETF承認判断が焦点

米国での XRP ETF承認 を巡る思惑が、最近の価格動向の中心となっている。

ブルームバーグのアナリストは承認の可能性を90%以上と見積もっているが、SECの最終判断は10月末になる見通しだ。ETFとETNの構造を組み合わせたREX-オスプレイの商品は、ソラナ・ステーキング(SSK)と同様にSECの直接承認を必要としないため、先行して登場する可能性がある。

XRP 2週間ぶり高値3.04ドルまで上昇 ETF期待で次のターゲットは3.6ドル? image 3 ステーブルコインランキング Source: DefiLlama

また、リップルのステーブルコインRLUSDが資産規模で7億ドルを突破したことも注目を集めた。ただし、供給の約90%がイーサリアム上で発行されており、XRPレジャーへの直接的な需要はほとんど生まれていない。さらに、ステーブルコイン市場はサークルのUSYCやワールド・リバティのUSD1といった流動性の厚い大手発行体に支配されており、競争は激しい。

一部の投資家は、XRPレジャーが国際送金の主要基盤となり、現行のSWIFTインフラを置き換える、あるいはトークン化分野で急拡大するとの期待を抱いている。しかし、RWA.xyzのデータによると、XRPレジャーが担う現実世界資産(RWA)は全体のわずか2%であり、アバランチやステラ、アプトスといった比較的小規模なブロックチェーンを下回っている。

XRPが3.60ドルまで上昇する可能性は否定できないものの、XRPレジャーにおける総ロック価値(TVL)がわずか1億ドル程度にとどまることを考えると、その勢いを維持できる可能性は限定的とみられる。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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