FIA先物業界協会、ESMAの過度に厳格な証拠金透明性規則に警告
FIAがESMAの過度に厳格な証拠金透明性規則に警告
FIA (先物業界協会)は、 ESMA (European Securities and Markets Authority:欧州証券市場監督局)に対し、清算会員企業に対する過度に厳格な証拠金透明性要件の導入に警告を発した。
この警告は、ESMAがEMIR 3.0第38条に基づく規制技術基準案に関する協議を行ったことを受けて出されたもので、CCP(中央清算機関)とCSP(清算サービスプロバイダー)に対する透明性義務を定めている。
FIAのジャクリーン・メサCOO(最高執行責任者)は、FIAがESMAのより広範な政策目標と整合していることを強調したうえで、次のように述べた。
われわれは、透明性を高め、清算会員、顧客、そしてエンドユーザーが、特にストレスの掛かった市場環境下において、証拠金コールやそれに伴う流動性ニーズに適切に対応できるようにするという、EU(欧州連合)の包括的な政策目標を強く支持します。しかし、ESMAに対し、これらの規制技術基準が適用範囲と比例性の両面において、レベル1の義務と確実に整合し続けるよう強く求めます。
CCPマージンがけん引役
FIAが清算会員を対象に実施した調査によると、顧客の86.5%はCCPマージンのみを請求され、わずか3%が独自のCSPモデルに従っていることが判明した。
これは、CCPの情報開示が顧客のエクスポージャーを形成する主要因であり、CSPの透明性に対するニーズは限られている。FIAは、ESMAがCCPの情報開示強化に重点を置いていることを歓迎する一方で、CSPに必要以上に重い義務を課すことには警鐘を鳴らしている。
FIAの懸念と提案
FIAが特に懸念している点の一つは、CSPに対し「顧客の個別リスクに関連する2つのシナリオ」を提供することを求める提案だ。
同COOは、これはCCPの義務を超え、大規模な顧客基盤を持つCSPにとっては運用上実現不可能であると主張し、次のように警告した。
EUに拠点を置くCSPに対する過度に負担の大きい、あるいはリスクに見合わない要件は、特に同様の期待が世界的に課されていない場合、あるいは国際基準に沿っていない場合、欧州における清算サービスの相対的な魅力と拡張性を意図せず損なう可能性がある。
なお、FIAは、RTSの最終化にあたり、ESMAに対し以下の主要な提言を提示している。
- EMIR第38条(7)に基づき、CCPに対する透明性要件を強化
- CSPの開示が、レベル1の義務を超える義務を回避し、相応かつリスクに基づいたものであることを確保
- シミュレーションの期待事項を明確化・合理化することで、顧客にとって付加価値がありつつ、CSPにとっても実現可能な範囲で実現可能となるようにする
FIAは別途、規則の運用面および技術面の複雑さを反映した、適切なコンプライアンス・タイムラインの策定を要求。FIAの介入は、仲介業者に過度の負担をかけることなく、顧客と市場を保護するルールを設計することの難しさを浮き彫りにしている。
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