個人投資家の勝利！ウォール街の空売り勢が過去5年で最悪の成績を記録し、ついに「降伏」

米国株をショートしているトレーダーたちは、過去5年間で最悪の年間リターンを、盲目的に追随する個人投資家のせいだと非難している。

データ分析会社S3 Partnersの計算によると、空売り筋に最も人気のある米国株250銘柄で構成されるポートフォリオは、今年57%も急騰しており、これらの株価下落に賭けていたトレーダーたちは大きな損失を被っている。これは2020年に同ポートフォリオが85%上昇して以来、最も好調な年となっている。

bitcoinマイナーのTerawulfや、2021年に破産したレンタカー会社Hertzの株価は今年、それぞれ155%と50%急騰しており、両社とも40%以上の株式が空売りのために貸し出されている。

空売り筋は通常、株式を借りて売却し、その後株価が下落した際に買い戻して利益を得る。この「ジャンク株」の反発ラリーの前には、人工知能ブームや利下げへの期待がS&P500指数を連続して史上最高値に押し上げていた。

個人投資家の資金流入が大量に続いたことで、この上昇の波は空売り筋に大きな損失をもたらし、彼らは市場から締め出され、強制的にポジションを解消させられた。

著名な空売り機関Muddy Watersの創業者Carson Blockはインタビューで、「現在のブル相場サイクルはあまりにも長く、調整局面が短すぎて、従来型の空売り需要はもはや存在しなくなった」と述べている。

彼はさらに、企業を調査しレポートを発表して空売りするアクティブ型のショートが、今や株式の空売りで持続的に利益を上げる唯一の方法だと付け加えた。Blockは「今のすべての調整局面と同じように、リスクの出現は実際にはまたしても『押し目買い（BTFD、buy the f**king dip）』のチャンスに過ぎない」と語った。

HindenburgのNate Andersonや、2001年のEnron倒産前に同社を空売りしていたJim Chanosなど、著名な空売り筋も近年「白旗を上げている」。これは受動的投資ファンドの成長が一因であり、これらのファンドはインデックス全体を無差別に買い入れ、米国株式市場を止めどなく押し上げている。

「今年は本当に、本当に厳しい年だった」と、アクティブ型ショートおよびロングリサーチ機関J Capital Researchの共同創業者Anne Stevenson-Yangは語る。「2020年以来、私たちは市場がより合理的になるのをずっと待っていたが、そうはならず、ただひたすら上昇し続けている」と彼女は付け加えた。「個人投資家は、たとえその波が合理的でなくても、流れに乗る傾向が強い。」

AppLovinほど空売り筋の苦境を象徴する企業はほとんどない。時価総額2,000億ドルの広告グループである同社は、複数の空売りレポートでAI能力の誇張を指摘されたにもかかわらず、今年株価が65%上昇している。

AppLovinは財務や会計上の不正行為に関する指摘を強く否定し、これらのレポートは「根拠がなく」、「不正確かつ虚偽の主張に満ちている」と述べている。米国の中堅空売り会社の上級投資家は、「『ジャンク株』の今年のパフォーマンスはあまりにも素晴らしく、この『池』で空売りしても成功はほぼ不可能だ」と語った。

彼らはさらに、不正行為を指摘された企業にとって、「もはや結果は存在しない」と述べ、トランプ元大統領が電動トラックメーカーNikolaの創業者Trevor Miltonを赦免した件に言及した。Miltonは2022年、投資家に嘘をついた罪で有罪判決を受けている。

今週、Miltonは航空機メーカーSyberJetを通じて「復帰」すると発表し、「運輸業界を変革したように航空業界も変革する」と述べた。米国のアクティブ型空売り機関の創業者は次のように語った：

「かつては多くのバブルがあり、それがチャンスをもたらしていた。しかし今や、市場のあらゆる隅々にこのような熱狂が見られる。たとえば、暗号資産、原子力、量子技術、そしてAIやデータセンター関連のあらゆるコンセプトのバブルだ。空売り筋にとって、もはや逃げ場はほとんどない。」