イランがBRICSと仮想通貨戦略を進め制裁回避を模索
イランは国際制裁下で仮想通貨活用の道を探る
イランは米国と国連による制裁が続くなか、国際貿易決済に仮想通貨を取り入れる方針を進めている。
主要国によるスナップバック(※制裁の解除および緩和の取り消し措置)発動で制裁環境が強化され、従来の金融インフラから遮断されつつあることが背景にある。
イラン政府が後援する初の国際ブロックチェーン会議「 deBlockサミット 」では、仮想通貨を国際取引の手段として活用する方針が明確に示された。イラン議会議長モハメド・バゲル・ガリバフ(Mohammed Bagher Ghalibaf)氏は、仮想通貨が貿易決済に新しい選択肢を提供し、制裁下でも商取引を継続するための重要な手段になり得ると述べた。同氏は、イランがブロックチェーン技術とデジタルトレード分野で地域の中心地となることを目指す姿勢を強調し、大学や研究者、テクノロジー企業との協力体制を強化する意向を示した。さらに、デジタル資産の導入は同国にとって単なる選択肢ではなく、現在の制裁環境を踏まえれば「不可欠な取り組み」だと位置づけた。
サミット全体では、仮想通貨を活用することでSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication:国際銀行間通信協会)のような従来型の決済インフラに依存しない国際取引の可能性が議論され、デジタル資産が制裁回避や越境決済の新たな選択肢として存在感を高めていることが共有された。
BRICSと脱ドル化の流れ
deBlockサミット議長プーリア・アステラキー(Pooria Asteraky)氏は、デジタル資産は分散型で政治的影響を受けにくい特性を持つため、国際貿易におけるドル依存を下げる選択肢になり得ると述べた。
BRICS (※1)はそもそもドルの影響力縮小を志向して構成された枠組みとされ、イランは同連携を通じて取引ルートの確保を図っている。
Brazil=ブラジル、Russia=ロシア、India=インド、China=中国、South Africa=南アフリカの頭文字を組み合わせた造語で、現在はアラブ首長国連邦、イラン、インドネシア、エジプト、エチオピアの10カ国から成る国際会議の総称
一方で、トランプ米大統領はBRICSによる独自通貨構想に警告を発しており、インド外務省もドル離脱に否定的な立場を示しているなど、脱ドル化を巡る温度差も見られる。
規制の未整備が国内事業者の懸念に
国内では、仮想通貨産業を取り巻く規制が依然として不十分である点が、事業者にとって大きな障壁となっている。
Wallex Iran のエフサン・メフディザデ(Ehsan Mehdizadeh)CEO(最高経営責任者)は、現行の規則は明確さと透明性を欠いており、ブロックチェーン関連ビジネスが成長するための基盤が整っていないと批判した。
メフディザデ氏は、制裁を受けている状況下では新しい金融インフラを拒む余裕はなく、規制当局がブロックチェーン技術を十分に理解していない点が問題を複雑にしていると述べた。同氏は、イランがSWIFT網から遮断されている現状を踏まえれば、デジタル資産は決済システムの規制を回避するための現実的な選択肢になり得ると指摘している。
イラン中央銀行は国内仮想通貨市場の唯一の監督機関として権限を持ち、リアルから仮想通貨への交換を国内プラットフォームで禁止するなど、資本流出を抑えるための厳しい制限を敷いている。一方で、仮想通貨マイニング事業は承認されているものの、電力料金設定や補助金制度の扱いを巡って政策的な議論が続いており、実際の運用面では不確実性が残っている。
イランがBRICSとの協力を視野に仮想通貨利用を進める方針を示すなか、国内規制の整備状況は依然として大きな課題であり、産業発展と国際取引の双方に影響を与える要素となっている。
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