ビットコイン(BTC)は先週の大幅な下落からの回復が固まりつつあり、10日間で10万6000ドルから8万600ドルへ下落した後、価格は8万7000ドルから9万ドルのゾーンへ戻り始めている。

この反発で、主要クジラ層が供給を手放し続けているにもかかわらず、BTCが局地的な底を付けたかどうかを巡る議論が再燃している。

要点:

・クジラ層と小口層はネット売りを継続する一方、中規模保有層は買い増しを継続。
・アキュムレーターアドレスの需要が36万5000BTCに到達し、長期的な信認の回復を示唆。
・マイナス資金調達率が、トレーダーの降伏とショートスクイーズの可能性を示す。

BTCの分配と徐々に進む蓄積トレンド

オンチェーンデータはコホート間で異なる動きが生じていることを示した。1万BTC超のウォレットと1000〜1万BTCの機関投資家層は下落局面を通じて一貫して売り手となり、市場の構造的な弱さにつながった。10BTC未満の小口ウォレットも過去60日間ネット売りで、下落局面を支える動きは限定的だった。

ビットコイン9万ドルへのショートスクイーズに現実味、資金調達率がマイナス転落 image 0 Bitcoin accumulation vs distribution by all cohorts. Source: CryptoQuant

対照的に、10〜100BTCと100〜1000BTCの中規模保有層は調整期間を通じて買い増し続け、売り圧力の一部を吸収した。

これらのコホートは存在感を増しており、ビットコインのアキュムレーターアドレスからの需要は11月23日に36万5000BTCの過去最高に達した。11月1日の25万4000BTCからの大幅な増加であり、確信に基づく需要が戻っていることを示す。

こうしたグループ間の相互作用が初期の下落後にBTCを安定させ、9万ドルに向かう反発の基盤を作る可能性がある。

ビットコイン9万ドルへのショートスクイーズに現実味、資金調達率がマイナス転落 image 1 Bitcoin demand from accumulator addresses. Source: CryptoQuant

マイナス資金調達率がショートスクイーズを示唆

今回の急落局面では先物市場が決定的な役割を果たし、ロングの連鎖清算、強制売却、マージンコールが重なり、BTCは8万ドル台へ急落した。現在の先物データでは、レバレッジをかけたロング勢が徐々に降伏していることがうかがえる。

ビットコイン9万ドルへのショートスクイーズに現実味、資金調達率がマイナス転落 image 2 Aggregated Bitcoin funding rate. Source: Coinalyze

クリプトクオントのデータでは、調整局面でロングを試みたトレーダーは「ついに降伏した」とされ、日次の資金調達率は急低下し、一時マイナスに転じた。バイナンスの中立水準は約0.01%で、そこを下抜ける動きはショート優勢を示す。これは調整後期の降伏局面でよく見られる。

アナリストのDarkfost氏は、BTCが上昇を続ける中でショート勢が積み上がれば、市場が典型的な「不信期(disbelief phase)」に入り、強力なショートスクイーズの条件が整うと警告する。

ハイブロック・キャピタルの清算ヒートマップもこの見方を支持しており、8万ドルではロング清算が26億ドル、9万8000ドルではショート清算が84億ドル超に達している。9万4000ドル、9万8000ドル、11万ドル付近の高密度流動性帯がBTC価格の引力として働く可能性がある。

ビットコイン9万ドルへのショートスクイーズに現実味、資金調達率がマイナス転落 image 3 Liquidation heatmaps. Source: Hyblock Capital

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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