MSCI、除外方針を一転して見送り
世界的な指数プロバイダーであるMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が2026年1月6日、ビットコインなどのデジタル資産を大量保有する企業をグローバル株価指数から除外する計画を撤回しました。この決定により、MicroStrategy(MSTR)をはじめとする「デジタル資産財務企業(DATCOs)」は、MSCIに留まることになります。
MSCIは2025年10月、総資産の50%以上をデジタル資産が占める企業を指数から除外する提案を発表していました。MicroStrategyのほか、Marathon Digital HoldingsやMetaplanetなど約39社が対象となる可能性がありました。除外が実施されれば、指数に連動するファンドによる最大で約1.5兆円~2.2兆円規模の機械的な売り圧力が発生すると予測されていただけに、市場関係者からは強い懸念の声が上がっていました。
投資家や業界団体からの反対を受け、MSCIは協議期間を経て最終的に除外を見送る判断を下しました。発表直後、MicroStrategy株は時間外取引で約6%急騰。日本のMetaplanet株も8.9%上昇するなど、ビットコイン財務戦略を採用する企業全体に好影響が広がっています。
新株発行による指数ウェイト増加は凍結
ただし、MSCIは完全な現状維持を決めたわけではありません。今回の決定には重要な「条件」が付いています。総資産の50%以上をビットコインなどのデジタル資産が占める企業については、今後増資などで株式数が増えても、指数内での比重を引き上げないと明言しました。
これは実務上、大きな意味を持ちます。MicroStrategyは新株発行で資金を調達し、それをビットコイン購入に充てる戦略を頻繁に使っています。通常なら増資により指数内のウェイトが上昇し、パッシブファンドからの買いが入るはずです。しかし今回の措置により、増資を行っても指数上の比率は自動的には上がらない状態になります。除外による「売り」は回避できたものの、成長に伴う「追加の買い」は一時的に遮断されたわけです。
さらにMSCIは、単にビットコイン保有企業だけでなく、より広い概念である「非事業会社」全般について新たな協議を開始すると発表しました。今後は資産保有比率だけでなく、財務諸表に基づくより精緻な基準が検討される見込みです。つまり今回の決定は「問題解決」というより「戦略的な延期」と見るべきでしょう。MicroStrategyなどの企業は、将来的により厳格な基準のもとで再び適格性を問われる可能性が残されています。
参考元:bitcoinmagazine
画像:shutterstock
