2026年1月7日、トランプ大統領の家族が関わる暗号資産プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」の関連会社が、アメリカの金融監督機関に銀行免許を申請しました。この動きは、仮想通貨業界と政治の関係において大きな注目を集めています。
申請したのはWLTC Holdings LLCで、新設する銀行を通じて自社が発行するドル連動ステーブルコイン「USD1」の発行・管理を一手に担う計画です。USD1の時価総額は既に33億ドル(約4,800億円)を超え、PayPalのステーブルコインに迫る勢いで成長しています。
背景には2025年7月にトランプ大統領が署名した「GENIUS法」があります。この法律でアメリカ初のステーブルコイン包括ルールが定められ、認可を受けた信託会社がステーブルコインを発行できるようになりました。
政治的問題と市場への影響
しかし、この申請には大きな問題があります。トランプ大統領は「名誉共同創設者」、息子たちは「共同創設者」としてプロジェクトに名を連ね、収益の75%が大統領一家の関連企業に入る仕組みです。
大統領が任命した規制当局が、大統領家族に莫大な利益をもたらすかもしれない事業を審査するという、極めて異例な状況が生まれています。
民主党議員や専門家からは「公私混同だ」という厳しい批判が上がっています。従来の銀行業界も警戒を強めており、米国銀行協会は「USD1が他の仕組みを使って高利回りを提供すれば、地方銀行から預金が流出する」と指摘しました。
WLFIの申請は技術的には問題なさそうですが、トランプ家との関係が審査を難しくすることは間違いありません。承認されればUSD1は数百億ドル規模に急拡大する可能性がありますが、政治的反発で審査が長引くシナリオも十分考えられます。
この動きは、仮想通貨が「規制の外」から「政府の監督下」へ移る転換点です。USD1はトランプブランドの投機的トークンで終わるのか、次世代の決済インフラになるのか。2026年前半の監督機関の判断が、ステーブルコイン市場の未来を左右します。
参考元: CNBC
画像:shutterstock
