米国証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長が1月12日、Fox Businessのインタビューで注目の発言をしました。ベネズエラ政府が密かに持っているとされる推定600億ドル相当のビットコインについて聞かれ、「まだ分からない」と答えたのです。
アトキンス氏はこの問題について、SECの担当範囲外だと説明し、「他の政府機関に任せる」と述べています。彼は前任者のゲイリー・ゲンスラー氏の厳しい取り締まり路線とは違い、暗号資産市場のルール作りに力を入れる方針を示しています。
確認できるのは2,200万ドル分、噂との差は2700倍
この巨額保有の話は、ジャーナリストのブラッドリー・ホープ氏らが運営する「Whale Hunting」というニュースレターから広まりました。ベネズエラが2018年以降、経済制裁を避けるために金を売り、そのお金でビットコインを買ったという推測です。
ところが、ブロックチェーン分析会社のArkham IntelligenceやTRM Labsが調べたところ、ベネズエラ政府が持っている大きなウォレットは見つかりませんでした。確認できたのはたった240BTC(約2,200万ドル、約22億円)だけ。600億ドルという噂とは2700倍も違います。
暗号資産レンディング会社Lednの創業者マウリシオ・ディ・バルトロメオ氏も「ベネズエラ中央銀行の外貨準備は約99億ドル。それなのに600億ドルものビットコインを持っているはずがない」と指摘しています。
この「隠し資産」を管理しているとされるアレックス・サーブ産業大臣は、2020年から2023年末まで米国に拘束されていました。その間、誰が管理していたのかも不明です。
210億ドルの石油売上金が行方不明に
むしろ明らかになっているのは、ベネズエラ国内での不正です。
2023年、国営石油会社PDVSAの約210億ドルもの石油売上金が行方不明になりました。そのことから暗号資産を管理する役人たちが、受け取ったお金を国の金庫に入れず、自分のポケットに入れた疑いがあります。
ベネズエラの巨額ビットコイン保有は証拠が見つかっておらず、もし存在するとしても国の資産ではなく、役人たちが個人的に持っている可能性が高いと見られています。
参考元:Bitcoinmagazine
