ビットコインの価格高騰とともに、「AWS(Amazon Web Services)でビットコインを採掘できるのでは?」という噂が繰り返し話題になっています。クラウドコンピューティングによる柔軟なリソース提供は、多額の初期投資なしでマイニングを開始できるのではと思わせるもの。しかし、現実は本当にそんなに甘いのでしょうか?今、AWSとビットコイン採掘のリアルに迫ります。
ビットコイン採掘とは、専用ハードウェア(ASICやGPU)を使い、複雑な計算問題(Proof of Work)を解決することで、新規ビットコインの発行とトランザクション承認を担うプロセスです。成功すると報酬としてビットコインが手に入ります。
AWSはAmazon社が提供するクラウドサービスです。仮想サーバー(EC2インスタンス)やストレージ、AI、セキュリティ機能など、幅広いITリソースをインターネット経由で提供しています。これにより、物理的なサーバーを持たずに世界中から高性能な計算能力を利用できます。
AWSでビットコイン採掘を試みるということは、EC2インスタンスなどの仮想環境にマイニングソフトウェア(例えばCGMinerやBFGMiner)をインストール・実行し、計算資源を使ってマイニングネットワークに参加することを意味します。
クラウドマイニングの概念は2010年代中盤から登場し、自分のマシンを持たずともリモートで採掘できる新しいアプローチとして注目されました。AWSなど大手クラウドサービスを利用すれば、複数の高性能サーバーを手軽に借り、短期間だけ大量のマイニング作業を行う“レンタルマイニング”が理論上可能です。
しかし、マイニングの難易度(ネットワーク全体の計算能力合計で変動)が急上昇した現在、ASICという超高効率な専用機器が主戦場です。AWSが提供するGPUやCPUベースのインスタンスでは、コスト効率が極めて悪く、一般的に利益が出ないケースが大半なのが現状です。
AWS環境は極めて高性能ですが、インスタンス利用料も高額になるため、必ずコスト計算をしてからマイニングに挑む必要があります。大半は実験目的や学習用途に留めるのが賢明です。
例:p3.2xlargeインスタンス(NVIDIA V100 GPU搭載)は1時間あたりおよそ約3~4ドル、1ヶ月フル稼働だと$2500超。現状、同等の消費電力・性能のASIC専用機は数分の一の消費電力で圧倒的なハッシュレートを出せるため、採算性は雲泥の差です。
AWSのサービス利用規約上、仮想通貨マイニングが一般用途インスタンスで明確に禁止されている場合があります。大規模な採掘や長時間の負荷はアカウント凍結のリスクが高まるので要注意です。
クラウドの力で誰でも気軽にビットコイン採掘、そんな夢物語が現実になる日は近いのか——。現状、AWS上のビットコイン採掘は「学び」と「実験」のための選択肢ですが、コストや規約違反のリスクを含め、現実的な収益を得るには適していません。最新ハードウェア・専用環境や、“Bitget Exchange”のような実績ある取引所、そして安全性の高いBitget Walletを活用した資産管理が、今後ますます重要になります。ビットコインとクラウド、その両方を深く理解し、賢いマイニングライフを目指しましょう。