2026年最初の重要経済指標として、1月8日午後10時30分に発表される米国の新規失業保険申請件数に市場の注目が集まっています。
前回12月27日週の数値は19.9万件と予想を大きく下回る好結果でしたが、これは年末年始特有の統計の歪みである可能性が高く、今回の発表で数値が元に戻るとの見方が強まっています。
市場予想は21.0万件から21.3万件程度への上昇を見込んでいます。前週の低い数字は休日による申請遅延の影響を受けた一時的なものだったと考えられています。
新規失業保険申請件数の推移チャート
「解雇は少ないが、再就職も進まない」労働市場
今回の指標で重要なのは新規申請件数だけではありません。継続受給者数(失業保険を受け続けている人の数)は190.0万人前後への増加が予想されており、前回の186.6万人から上昇する見込みです。
これは「解雇は抑制されている一方で、再就職に時間がかかっている」状況を示しています。市場ではこの状態を「No Hire, No Fire(採用も解雇もない)」と表現する声が増えています。
企業はコロナ後の深刻な人手不足を経験したため、景気減速局面でも人員整理には慎重です。一方で、関税政策を含む政策不透明感や先行き不安から、新規採用には消極的な姿勢が続いています。
実際に、米国の求人数は11月時点で約715万件まで減少し、求職者1人あたりの求人数は0.91件と、コロナ後で最低水準に近い状態となっています。
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ビットコイン市場への影響は?
この雇用指標は、FRBの金融政策見通しを通じてビットコイン相場に影響を与える可能性があります。
・申請件数が20万件割れなど予想を大きく下回る場合 労働市場の強さが意識され、利下げ期待が後退します。米2年国債利回りやドル指数(DXY)が上昇すれば、短期的にビットコインには下押し圧力がかかりやすくなるでしょう。
・申請件数が23万件超など予想を上回る場合 景気減速懸念から一時的にリスク回避が強まる可能性があります。ただし同時にFRBの利下げ期待が再燃すれば、ドル安を通じてビットコインが下げ渋る、あるいは反発する展開も想定されます。
発表直後は米2年金利・ドル指数(DXY)・S&P500先物、これらの反応がビットコインの初動判断材料となります。
同時発表の労働生産性にも注目
同時刻には米国の労働生産性も発表され、市場予想は前期比+4.9%と高い伸びが見込まれています。
AI導入などによる生産性向上が確認されれば、企業収益面では追い風となるでしょう。
一方で、単位労働コストの動向次第ではインフレ圧力として解釈される可能性もあり、FRBの受け止め方には注意が必要です。
年初はポジション調整も重なり、ボラティリティが高まりやすい時期です。今回の雇用関連指標は、2026年序盤の金融政策とビットコイン相場の方向性を占う材料として注目されます。
参考元:investing
画像:shutterstock

